湘南高等学校
小田急線藤沢本町駅から徒歩約7分。静かな住宅街を抜けた高台にある。創立は大正10年、今年88年目を迎えた。昭和24年の夏の甲子園大会では優勝を果たし、その優勝旗は「文武両道」の象徴となっている。平成7年に校舎が全面改築となり、多目的ホールは湘南らしい帆船のデザインが施された。全国にその名を知られる伝統の進学校である湘南高校は、平成19年神奈川県教育委員会より学力向上進学重点10校の1つに指定された。今年2年目を迎え、改革を押し進められている校長の川井先生にお話を伺った。
希望の進路を実現し、社会のリーダーとなる人材を育成する
「湘南高校のミッションは、『高い進学意欲を持つ生徒一人ひとりの希望する進路を実現する』『将来社会の優れたリーダーとして活躍できる人物を育てる』ことであり、湘南高校はその実現に向けてさらなる努力を続けています」と川井校長は力強く話される。今春(平成20年春)の過年度生を含む難関国立大学の合格実績においては、東大8名、一橋大4名、京大1名、難関私立大は早稲田大122名、慶應義塾大73名、上智大26名、東京理科大45名、となっている。
これに関して川井校長は、「東大は残念ながら昨年実績を超えることは出来ませんでしたが、今年は国公立医学部に現役で6名を輩出しました。(横浜市大3名、東北大医学部1名、千葉大医学部1名、高知大医学部1名)。これは東大の理科Ⅰ類・Ⅱ類に匹敵する実績です」と評価されていた。さらに「もうひとつ特筆できることは、東京藝術大学に3名の合格者を出したことです。音楽や美術の芸術系にも強いということは湘南高校が目指しているもののひとつ、理系文系に偏らない全ての方面がしっかり発達する全人教育の賜物、と誇りに思っています。ですが湘南高生全ての希望の実現という観点においては、全体にはもう一歩頑張る余地はあると考えています」と川井校長は話される。神奈川のトップブランド校として東大等難関大への合格実績をしっかり出し、さらに湘南高生一人ひとりの多方面にわたる進学希望を大切にした進路指導は評価に値するものであろう。
進学重点校2年目の取り組み
また川井校長は「湘南高校は全国区ブランドの自負は変わりません。そのブランドの名に恥じない結果が出せるように、重点校指定2年目ということで、今年、いくつかのことを押し進めています」と話された。川井校長によると、新たな取り組みの1つ目は、5月に3年生全員に学内模試を実施したこと。これは生徒一人ひとりの学力の学校全体の位置はもちろん、全国での位置もしっかり分かり、教科の弱い部分も見えるとのこと。当然本人の意識も高まり、進路指導が今まで以上に細かく緻密に出来るという。これは今後1、2年にも順次導入していく予定だそうだ。2つ目は土曜講座と夏季講習の内容をより充実させること。土曜講座は昨年も開講していたが、今年は生徒のニーズにより合わせ、英・数・国の3教科中心に講座を増設。(湘南高校様★具体的な講座名が分かればお教えください)また夏季講習は3教科に理科社会を加え、原則1回60分で5日間連続の講座35講座程度を実施予定。難関国公立大学合格に必須のセンターでの高得点を目指し、国公立進学の夢を現実のものとさせるべく、教員一丸となって取り組んでいくという。3つ目は、「キャリア教育講演会」をより一層充実させることである。進学や将来の職業選択のモチベーションアップにつなげ、社会のリーダーになる人材を育てる目的で行われるという。多方面で社会の一線で活躍しているOBOGの全面協力のもと、昨年は、『大学で学ぶこと』についての早稲田大学教授のお話や、高校時代甲子園出場を果たし、社会人となっては商社で活躍の、文字通り文武両道のOBのお話を聞く機会を設けたという。将来どんな自分になりたいかというイメージを持つことは、勉強へのモチベーションを高めることにつながるもの。「これからは学問のおもしろさや奥深さを知らせる機会としても、土曜講座の中に組み入れていくことを考えています」と川井校長はお話しになる。すべては、高いレベルの学力とモチベーションを生徒に手にしてもらうための施策であるといえる。この新たなチャレンジは充分注目できる取り組みだ。
また湘南高校では、進学重点校指定2年目ということで、今年、いくつかのことを推し進めているという。新たな取り組みの1つ目は、3年生全員の学内模試。これによって全国での位置もしっかり分かり、進路指導が今まで以上に細かく緻密に出来るという。これは今後1、2年にも順次導入していく予定だそうだ。2つ目は土曜講座と夏季講習の充実。土曜講座は昨年も開講していたが、今年は生徒のニーズにより合わせ、英・数・国の3教科中心に講座を増設。また夏季講習は5教科を設置。35講座程度を実施予定。センター試験での高得点獲得を目指し、国公立進学を現実のものとさせるべく、教員一丸となって取り組んでいくという。3つ目は、「キャリア教育講演会」の充実。昨年は、『大学で学ぶこと』について早稲田大学教授のお話や、高校時代甲子園出場を果たし、現在は商社で活躍中のOBのお話を聞く機会を設けたという。「将来どんな自分になりたいかというイメージを持つことは、勉強へのモチベーションを高めることにつながるもの。これからは学問のおもしろさや奥深さを知らせる機会としても、土曜講座の中に組み入れていくことを考えています」と川井校長はお話しになる。 また、川井校長は日々の授業の重要性に言及する。「補習の充実以上に大事なのが日々の授業の充実。密度の濃い授業を行うために、生徒には予習復習を課しますが、教師の授業力の向上も同時に進めています。予備校の授業見学など、研修の機会も作っています」。湘南高校の授業は、内容も濃く、進度も速い。授業にしっかりついていくために、朝の補講や追試対策、また教科担当・クラス担任・養護教諭が一体となって問題解決にあたる個別相談など、フォローアップのしくみも整えている。また、授業に関する質問に対応するため、今年はさらに、進路指導室の一部をブースに改造、自習スペースをさらに拡大して、生徒の要望に応えているという。社会のトップリーダーを育成する湘南高校にとって進学重点校としての取り組みを如何に充実させるか。川井校長のチャレンジは続く。
行事も大切な学習、体育祭で感動を
創立以来の「文武両道」の校風は、現在もしっかりと受け継がれ、ほとんどの生徒が部活動に加入している。クラス対抗「陸上記録会」(4月)を始め、文化祭(6月)、合唱コンクール(7月)、体育祭(9月)、高2生修学旅行(10月)、駅伝大会(11月)、スキー講習(1月)と行事も多い。その分、勉強もハードだが、湘南高生の集中力、モチベーションの高さが伝統の文武両道を支えているという。最大のイベントは9月の体育祭。1~3年までを8色に分けた縦割りの対抗戦を行う。3年生は組織の士気を高める総務長、2年生が実務を仕切る運営委員となり、ルール決めから運営計画、人員配置、当日の進行から 締めのセレモニーまで、生徒が中心となり、成功に向けてエネルギーを注ぐ。当日、盛り上がりは最高潮に達し、終了時には、大きな感動や達成感を得るという。「先回の説明会で、進学重点校に選ばれて、勉強に力が入ると、伝統の体育祭はなくなるの?と保護者の方からお問い合わせがありました。が、湘南高校では、体育祭を始めとした各行事の遂行は、学習と同じく価値あるものだと考えています。なぜなら、イベントを企画運営する力、皆を引っ張る指導力、協力して取り組む力、友達を思いやる心、これらは、世の中のリーダーとなって活躍するのに必要な力だからです、と話しています」、と川井校長。湘南高校の体育祭は、一般公開をしている。今年は9月15日(月・祝)実施なので、ぜひ足を運んで在校生の活躍ぶりをチェックしてみたらどうだろう。また、学校説明会等の予定は右記の通り。早い機会に参加することをお勧めしたい。
(2008年6月取材)
校長先生からのメッセージ
湘南高校は、これまで培ってきた伝統を大切にしつつ、「学力向上進学重点校」の指定を受け、新たな挑戦を開始しています。 まず、独自問題にチャレンジし、「文武両道」の精神で勉学や部活動・学校行事に励む湘南での豊かな学びの実現を目指してください。湘南高校は、高い目標を掲げ切磋琢磨しながら「総合的な人間力」を培い、「第一希望の進路実現」を目指す生徒一人ひとりをしっかりサポートします。