いよいよ入試期間に突入です。入試当日、時間に余裕を持って入試会場に到着し、入試問題が配られ、開始の合図を待っているとき、みなさんは、どんなことを考えるでしょうか?
「ようし、過去最高点を取ってやろう!」「いつものように過去問を解くつもりでやっていこう!」など思いは様々です。前回の話で、過去最高を出すよりも、いつもと同じ点数を取ることを意識する方が良い結果が出る、とお伝えしました。今回は、さらに踏み込んで、入試問題をどのように解き進めると、いつものような結果になるかについてお伝えします。
まず、どんな入試であっても満点を取らないと合格できない、というものは絶対にありません。つまり、合格ラインが8割であれば、20点分は間違っても良い、もしくは手をつけなくても良い、ということになります。
これは、入試本番で非常に大事なことです。誰もが全ての問題を解こうとし、試験の制限時間内に焦ってしまって、いつも通りの結果を出せずに終わってしまうことがよくあります。それよりも自分の解ける問題、今までに類似問題を解いたような問題などを優先的に解き進め、それ以外の自分自身にとって難しい問題はすぐに手をつけずに後回しにするというような取捨選択をすることが大事なのです。一番よいやり方は、よく言われるように、まず問題全体にざっと目を通し、どの問題から手をつけるか考えてから解き始める、というものです。過去問に類似した出題傾向であれば、過去問を解いたように解く問い番号の順番を自分のやり方で解き進めることができます。しかし、そうは言ってもなかなか入試本番で、問題全体に目を通す時間を取ることは勇気がいります。誰しも早く問題に手をつけたい、というのが受験生の心理です。
では、そのようなときにどうするかというと、問いの1番から解いていき、問題文を読んでも解法がピンと来ないものは、その問題を飛ばして次の問題に移ります。その目安は「1分」。1分考えて、鉛筆が動かないようであれば、思い切って次の問題に手をつけましょう。時間をかけすぎて最後の問いまで手をつけずに終わるようなことのないよう、1分で区切りをつけましょう。また、全ての問題に手をつけて正答率を下げるより、自分の力で解ける問題を確実に解き進める方が、より高得点を狙えます。もちろん、終了時間までに余裕があれば、飛ばした問題をもう一度考えてみるのもいいでしょう。初見のときよりも時間が経ち、気持ちにも最後まで解いたとゆとりが生まれます。案外「あっ!」と解法が見つかるかもしれません。入試問題に向き合ったとき、落ち着いて自分の実力で解ける問題を確実に解く、ということが大切です。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹