受験生にとって模試の結果は、志望校に対する合格可能性のバロメーターであり、その結果がとても気になるところです。これから夏にかけて模試が実施される頻度が上がります。そこでよく相談されるのが、模試の結果が下がったことで落ちこんでしまっているというものです。
確かに得点や偏差値が前回より下がったり、志望校の合格判定が良くなければ心配するのも無理はありません。その時に私が受験生に伝えているのが、「この結果を素直に受け止め、次に向けてどう生かすかが大事」ということです。出てしまった模試の結果は変えることはできません。それよりも次の模試に向けてどう取り組むのかが重要です。
結果の振り返りについては、まず結果の原因を考えましょう。間違えた問題は、どうして間違えたのか、どのようにすれば良かったのかを解き直しをしながら突き詰めていきましょう。時間配分のミス、単純な計算ミスや読み落としなどのケアレスミス、実力がまだ及んでいなかったなど、必ず原因があります。その原因をはっきりとさせ、次に向けて勉強方法や時間の使い方などの改善を行いましょう。意外と多いのが、普段はできていたのに模試本番では解けなかった(できなかった)というものです。
この原因は、本番形式での練習不足が原因です。具体的に言うと、問題を解くことに集中しすぎるあまり、模試の制限時間を考えずに普段の勉強をしていることです。つまり、模試や入試の本番の試験時間と同じ時間を使って普段から問題演習をしていくのです。例えば、大学入学共通テストの英語のリーディングでは、試験時間が80分です。英語の勉強や問題演習は、80分間で取組み、80分間の時間感覚や時間配分、集中力が持続できる勉強体力を普段から身に付けておくことです。部活動でも本番の大会前に本番を想定した練習試合や紅白戦をするように、例え模試であっても本番と同じように普段から練習をして臨みましょう。
模試は、あくまでも模擬試験です。結果に一喜一憂するよりも、結果を真摯に受け止め、次につなげていく効果的なツールとして最大限利用していきましょう。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹