本番で失敗しない
今年のスポーツ界は、世界野球やワールドカップ、フランス五輪の予選など、大きな大会が目白押しです。その大事な試合の中で、存分に力を発揮する選手と、十分な実力があるにも関わらず、その力を発揮できずに終わる選手がいます。それぞれの選手の実力には、それほど大きな差はなくても、試合での結果は歴然としていることが多く見られます。では、この差は何が原因でしょうか。
私も大学までサッカーをしていました。今のようにJリーグもなく、サッカーでワールドカップ出場、というのは夢のまた夢という時代でした。それでも一生懸命練習を積み重ね、大会本番に臨みました。その中で忘れられないとても苦い思い出があります。高校最後の大会で、試合は引き分けPK戦に入ったときのことです。私が蹴ったPKのシュートがゴールキーパーにセーブされ、そこでゲームセット。敗戦と自分たちの世代の引退が決まりました。その時の悔し涙は今でも忘れません。もちろん練習ではPKを何十本も蹴り、必ずゴール右上に決めていたのですが、最後の最後の試合で「もし外したら・・・」という弱気が頭をよぎり、そのため普段は決して蹴ることのないゴール左側にシュートしたため、負けてしまう結果となったのでした。
何が言いたいかというと、ここぞ、という本番で大事なのは「強い精神力」だということです。絶対に負けない、絶対に決めてやる、というプラスの考えです。今まで積み重ねてきた練習や実力は変わりません。例えば毎日10キロ走りこんだ、毎日シュートを100本決めたなど、身につけてきたものは変わらないのです。変わるのは、本番のその時の気持ちです。積み重ねた努力を「しっかりとやれる限界までできた」と考えるか、「もっとこうしておけば良かった」とネガティブに捉えるかで結果は大きく変わります。そして私のPKのように、一生後悔が残ることもあるのです。
これから秋、冬といよいよ受験シーズンがやってきます。受験本番で、積み重ねた努力をどのように捉えるかで結果は大きく違います。受験は、合格か不合格しかありません。後悔をしないためにも、毎日やるべきことを全てやりきり、「ここまでやったんだ!」という自信を持って入試本番に臨んで欲しいと思います。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹