あけましておめでとうございます。
今年がみなさんにとって素晴らしい年になりますことをお祈りいたします。
中学受験本番まで1カ月を切り、秒読み段階です。中学受験では、小学生である我が子を親がついついお膳立てをしたくなります。子どもが間違ったやり方をしたときに、「正しいやり方はこうだよ。これで効率的に解けるよ」と決めつけたり、親が全てにおいて進捗管理をしたりすると、一時的には点数は上がります。しかし、親が子どもの全てにおいてレールを敷いてしまうと、その反動が中学入学後にやってきます。具体的には、自分から考え、行動する力がついていないため、中学での学習に遅れや理解が追いつかない状態になってしまうのです。
中高一貫校では、その学校独自の学習スタイルが様々にあります。特にグループで考えたり、意見交換をしながら発表するような授業や、あるテーマに基づいて調べたり考えたりしたことをレポートにまとめる、といった学習が増えてきています。そのときに、自分自身でいろいろな発想や考えを持ったり、新しいことに取り組んだりする際、どうしたらよいかわからない、ということが起きてしまうのです。
勉強も試行錯誤の連続です。中学受験の問題も一筋縄ではいかないようなものも多く存在します。特に説明を求める記述問題や、考えた途中過程まで答案に書かせる中学も数多くあります。そこで親の模範解答をすぐに教えてしまったり、効率的な解法を決めつけたりすることで、中学進学後の成長の芽を摘み取ってしまうことにもなります。親にとって多少の遠回りや非効率的なやり方でも、本人にとっては貴重な経験です。子ども自身間違うことで、かえって正しいやり方が身に付くことも多いです。
中学受験という一生に一度きりの受験を通じて、志望校合格という栄冠だけでなく、困難を乗り越える力やいろいろな角度から考える広い視野など、子どもにとって貴重な成長の機会になることを願っています。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹