10月に入り、中学入試も志望校の過去問をどんどん演習していく時期になりました。小学生の指導をしていて、受験の有無に関わらず、「成績向上にはノートが重要な意味をもたらす」ことを実感しています。
中学入試でも「記述する力」「アウトプットする力」など考えたことを表現させるような問題が増えています。さらにその先の中学や高校の定期テストでも、記述問題の割合が近年増えてきています。ただ物事を記憶しているという知識を問うだけの問題ではなく、どうしてそう考えたのかのプロセスや自分で結論付けたことを文字や式で表現する、という問題が多く見受けられます。算数や数学でも、答えだけ書くのではなく、途中式や考え方まで書かせるような答案用紙も珍しくありません。俗に暗記科目と言われている理科社会でも(筆者は理社を暗記科目とは考えていませんが)、「~はなぜか」「~を説明しなさい」というような問題は当たり前のように出されています。
そのために、普段からノートにしっかりと書く(アウトプットする)練習が必要なのです。特に小学生の内には、この力をしっかりと身に付けておきましょう。ノートを書くことで以下の力がつきます。
①入試でのアウトプット力がつく:自分だけ頭の中で理解している、というだけではだめです。ノートを書くことで、他の人にも分かるようにまとめることができたり、表現したりする力がつきます。
②自分を律する力がつく:ノートを書くことは大変なことでもあり、小学生にとっては面倒なことでもあります。しかし、それを積み重ねていくことで、自律心が養われます。
③考えたことを見える化する力がつく:中学受験の算数では、問題文を読んですぐに立式できるような問題はほとんどありません。問題文で提示されていることを、線分図や面積図といった形に見える化し、そこから解いていかないと解法を見つけることは、なかなか難しいです。そのため、ノートに書きだすことが非常に重要となってきます。
ノートに書く、ということには以上のように重要な意味があります。ノートに書くということを諦めずに、毎日の学習と向き合って欲しいものです。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹