6月に入り、中学・高校では中間テストがピークを迎えています。
私の教室でも毎日、学校帰りに自習に来る生徒が増え、一生懸命テストに向けて頑張っています。そんな中、ある相談を受けました。
普段の勉強では問題は解けるのに、いざテスト本番になると解けなくなる、点数が取れない、というのです。詳しく聴いてみると、テストの最中にとても緊張してしまう、というのが原因でした。
子どもにとってテストは、成績が決まる大切なもの、という重要な位置づけでもあります。緊張する、ということは自然な感情でもある、とも言えます。しかし、緊張するあまり思う様な結果を出せない、ということであれば、絶対に改善する必要があります。ではどうすればよいのでしょうか。
本番で緊張する生徒の特徴として、真面目な子が多いと感じます。毎日、テストに向けて自分で決めたことを一生懸命に取り組む、ということを実践しています。授業中に出された問題や問題集をまさに「コツコツ」やっている、という子どもたちです。
真面目に取り組んでいるのですから、その分、良い結果に期待したい気持ちを強く持っています。保護者の方も同じ思いです。しかし、結果が付いてこない・・・。そんなことが続けば、折角のやる気も薄れてきてしまいます。
改善点は、ズバリ「練習試合」です。言い換えると、本番形式の練習が足りないのです。例えば、野球やサッカーの重要な大会の前には、必ず練習試合や紅白戦など、本番と同じことを行うはずです。ではテストの「練習試合」は、行っているでしょうか? ほとんどの生徒が「NO」です。中学入試や大学入試などでも、入試前に過去問を徹底的に解くのは、入試の分量や傾向に慣れること、制限時間内に入試問題を解く練習をすること、各設問の時間配分の経験を積むことのためです。
つまり、普段の勉強でも本番のテストが50分であれば、普段から50分の集中が続くように練習をするのです。テスト本番中は、飲んだり食べたり音楽を聞いたりすることはできません。ですから、ながら勉強は絶対にやってはいけません。また、自分のペースではなく、限られた時間の中で問題を解かねばなりません。ですから、50分の勉強サイクルの中でも、問題毎に制限時間を決めて、自分にプレッシャーをかけ、キッチンタイマーで時間内に解く練習をすることが大切です。
良く言われることですが、「練習は本番の様に、本番は練習の様に」です。本番の時間を意識した学習を心がけましょう。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹