苦手科目は、おそらく誰にでもあると思います。
では、苦手科目はどうしてできるのでしょうか?
誰もが全教科をパーフェクトにできるということは、なかなかありません。必ずどこかで「つまずいたり」「できなかったり」します。しかし、その後の対応で差が出るのです。
即座にできない理由を考え、できるように行動に出る人と、そのままにしてしまう人。そのままにしてしまうと、いつの間にかそのままにしておいた「できない」が次の「できない」を積み上げ、気が付いた時は「できない」の大きな穴が出来上がってしまいます。この大きな穴に気が付いた時、「この穴を埋めるのは大変だ」とほとんどの人が思ってしまいます。この時、一念発起して穴を目る為に努力をしようと覚悟を決め、計画的に行うことができれば間に合うことがほとんどなのですが、そのままにしてしまうことで、更に大きな穴へと成長してしまいます。そして、こうなってくるといよいよ「苦手科目」だから仕方ないと諦めてしまうケースになってしまいます。
このように、ひとつのつまずきをそのままにしてしまった自分が、「苦手科目」を創造してしまったのです。つまり、自分の怠け心に負けて現実から逃げたことが共通の原因として最も多いのです。正に「ニガテカモク」ではなく「ニゲタカモク」だったのです。
この様に話すと、反論する人もいます。「いや、自分は何とか克服しようと努力したが、やっぱりできなかった。逃げなかったのにできないのだから、才能の問題だ」と。才能のせいにするのは簡単ですが、10の努力を100の努力にすることで初めて結果に結びつくこともありますし、自分自身の努力が必要なレベルまで達していないかもしれないのです。
さらに、「どうせ苦手科目だから」と思い込んで仕方なくイヤイヤながらする学習は、自ら一層の学習効果を下げてしまっていることに気付いてほしいのです。そのような時は、「たまたま僕はつまずきをそのままにしてしまった。だから苦手科目と決めつけず、できないところから挽回しよう」と自分に言い聞かせて、あせらずにがんばってみることが大きな前進につながっていきます。
大事な事は、自分の悪い思い込みに縛られていては、前に進めないということに気付いてほしいのです。人はそれぞれであり、100%思い通りに苦手を克服できるとは限りません。しかし、悪い思い込みから自分を解放し、冷静に取り組み続けたときに必ず良い結果が得られるものです。
定期テストも受験も、○と×で決着がつきます。必ず正解というものが仕組まれている世界です。従って、努力を続ければ必ず正解にたどり着けると信じることが重要です。
程度の差こそあれ、受験は努力が報われる世界なのです。
中萬学院 個別指導事業部 加藤寛樹