神奈川全体の進路希望状況
神奈川県教育委員会は11月27日(金)、「2012(平成24)年度公立中学校卒業予定者の進路希望調査の結果(対象:県内の公立中学校分校2校を含む414校の中学3年生68,929名)」を発表しました。2012年3月の公立中学校卒業予定者総数68,929名のうち、高等学校等進学希望者は66,281名、卒業予定者数に占める割合は96.2%で昨年度より0.1ポイント増加しています。高等学校等進学希望者のうち全日制高校進学希望者は62,884名、割合は91.2%です。このうち県内公立高校進学希望の割合は80.7%で昨年度と比較すると0.7ポイント減少、県内私立高校進学希望の割合は6.3%で0.3ポイント増加しています。定時制高校の進学希望者の割合は昨年度と変わりませんが、通信制高校は昨年度を0.4ポイント上回っています。
毎年数字に多少の変化があるとはいえ、この調査結果から公立中学校に通う中学3年生の多くが中学卒業後に県内全日制公立高校への進学を希望していることがわかります。10月26日(金)に発表された全日制公立高校の当初募集定員総数(特別募集を含む)は42,759名。昨年度よりも公立高校の定員枠がやや広がっているとはいえ、実際に進学できるのは希望者の約77%にとどまる計算となります。
〔表1〕 進路希望調査 統括表
中学校所在地と異なる地区への進学希望率は45.1%
全県一学区制が開始された2005年春以降、中学校が所在する市区町村と異なる地区への進学希望率は毎年上昇しており、2012年度調査では45.1%となっています(昨年度45%)。 市区町村ごとの希望状況は、地区によって大きく差があります。〔表2〕では市区町村を17の旧学区(※旧相模原北部・南部地区は相模原市で1学区とする)でまとめ、生徒の動きを矢印で示しました。17のうち、中学校が所在する学区以外へ進学を希望する生徒の割合がもっとも高いのは旧横浜南部です。旧学区内高校を希望する(=地元に残留する)生徒は32.5%で、およそ7割の生徒が他学区所在の高校を希望しています。他に地元残留率が低いのは旧横浜西部(38.1%)・旧横浜臨海(42.9%)・旧平塚(43%)です。また、交通の利便性が高い地域では、生徒の進学希望地区がとくに多様化する傾向があります。
〔表2〕では生徒の移動の状況に加え、旧17学区の希望状況(中学校が所在する学区の生徒数を100とした場合の希望状況)も塗り分けで示しています。県内でもっとも進学希望率が高いのは旧横浜中部(134%)です。地元生徒の希望率が低いにもかかわらず、県内各地から進学希望者が集まることで割合が高くなっています。一方、最も進学希望率が低いのは旧横浜西部(72%)です。地元生徒の希望率は38.1%と低く、さらに外からの希望も少ないためです。 全日制公立高校の高校別希望状況は神奈川県教育委員会の発表ページをご覧ください。2013年度に募集を行う全日制公立高校のうち、普通科で400名超の希望者を集めている高校は全部で40校(昨年度39校)あります。うち500名超の希望者を集めているのは、14校(市ヶ尾・海老名・市立金沢・鎌倉・川和・希望ヶ丘・市立桜丘・湘南・住吉・茅ヶ崎・市立戸塚・横浜翠嵐・横浜平沼・横浜緑ヶ丘)です。中でも鎌倉と横浜翠嵐の2校は600名超、市ヶ尾・海老名・川和・市立戸塚の4校は700名超、さらに湘南は800名を超える希望者数となっています。昨年度同時期の希望調査結果では希望者数600名台が最大でしたが、2012年度は700名台や800名台の高校もあり、一部の高校に人気が集中する傾向が見られるのが特徴です。
情報に惑わされることなく、志望校に向かってしっかりと学習を
「進路希望調査結果」を見る上でご注意いただきたいのは、調査時期が募集定員発表以前の10月20日時点のものであるということ、またこの調査結果がこれから中学校で行われる進路面談の資料として利用されるため、毎年そのアナウンス効果によって、最終的な志望校決定までに受験生の希望状況に変化が起きるという点です。ですから今回の調査結果を見て、行きたい高校の人気が高いからといって悲観的になったり、敬遠を考える必要はありません。また、反対に人気が低いからといって安心できるというわけでもありません。大切なのは自分の目標とする高校の合格を目指し、本番までの約2カ月余りでまずは学力検査本番で確実に得点できる力をつけることです。中萬学院では、冬期講習・正月特訓・パーフェクト特訓と受験生はいよいよ正念場を迎えます。志望校合格に向け、一緒に頑張っていきましょう。