高校進学時内申と大学合格実績
2012年度神奈川県内高等学校卒業者の大学等進学率は60.6%(学校基本調査結果より)。5人のうち3人が大学等に進学する現在、中学生の皆さんにとって、高校入学から卒業までの3年間だけでなく、その先の大学進学まで見据えた高校選択を行うことが大切になってきています。そこで、今回は高校に進学した時点の内申を「入口」、卒業時点の大学合格者の割合を「出口」とした県内公・私立高校の大学合格実績の一例をご紹介します。
〔表1〕は早稲田・慶應義塾・上智3大学の合格者を出している神奈川県内のおもな公立・私立高校について、高等学校進学時の内申平均(2009年春)と卒業生数に対する大学合格者数の割合(2012年春)を分布図であらわしたものです。たて軸が卒業生数に対する大学合格者の割合(過年度生を含む)、よこ軸が高等学校進学時の内申平均(135点満点を45点満点に換算)です。〔表2〕は同様の条件で大学合格実績の対象大学を明治・青山学院・立教・法政・中央の5大学の合計としたものです。いずれの表も内申点と合格率の相関を示していますが、「入口=高校進学時内申」が数ポイントの差でも「出口=大学合格率」の差は数10%にも広がっていたり、ほぼ同じ内申点であっても大学の合格率に差が出ている例も見られます。
■(◆)は公立高校、■(◎)は私立高校(高校からの入学者のみ)、■(●)は私立高校(中高一貫生を含む)をあらわします
▼以下の2つの表はクリックするとそれぞれPDF画面が開き、拡大して見られます
※2012年12月06日【表2】分布図を修正しました
※横軸の内申平均は、各高校での進学者の数値(2009年春)を45点満点(各科5点満点)に換算して表示しています。神奈川全県模試の追跡調査に基づきます。
※合格者の割合は、2012年春の卒業生数に対する、同年春の早稲田・慶應・上智の合格者計または明治・青山学院・立教・法政・中央の合格者計(どちらも過年度生を含む)の割合を表します。
※合格者数は、公立高校では各高校の「学校要覧」、私立高校では各校へのアンケート調査結果に基づきます。
広い視野を持った高校選択を
このように「大学合格実績」という一つの要素だけを見ても、高校ごとに大きな差があることが分かります。今回は出口を一部の私立大学に絞ってお伝えしましたが、国公立大やその他の私立大学などを含めるなど数値比較の対象を変えてみると、この分布図は変わってくるでしょう。志望校を検討する際、自分の内申点や通いやすさなどから絞り込むことはもちろん大切ですが、中学生の皆さんには将来の希望や目標、進路のことも考えながら、より広い視野で公立高校そして私立高校を見ていただきたいと思います。